秋の味覚として代表的なきのこは、年間を通してスーパーで手に入りますよね。
さまざまな種類があって、私は冷蔵庫に必ず何らかのきのこ類を常備して、いつも料理に使っています。
そんなきのこは、免疫力アップする食材としてランキングされています。
きのこは低カロリーで免疫力アップにいいと何となく知っていても、どんな成分がどれくらい入っているかまではなかなか分かっていませんよね。
そんなあなたに、きのこに含まれる食物繊維やビタミンなどの成分を種類別にランキングしてみました。
全ての成分でランキング1位なのは、断トツで乾燥シイタケとなっていて、その他の種類についても調べてみました。
きのこの免疫力アップする成分のランキングや、含まれている栄養素についても詳しくご紹介していきますね。
きのこの免疫力アップ成分ごとにランキング!

きのこには体にいい栄養素がたくさん入っていて、免疫力アップに効果のある食物繊維も豊富に含まれています。
特に食物繊維に含まれているβ-グルカンは免疫力アップに関わるナチュラルキラー細胞や白血球の働きを活発にしてくれます。
そんなきのこの免疫力がアップする成分をランキングにしてみました。
ランキング後に、きのこの種類別に含まれている成分や量を説明していきますね。
- 1位 乾燥シイタケ(41.0g)
- 2位 エリンギ(4.3g)
- 3位 ブナシメジ(3.7g)
腸内環境を整えてくれる食物繊維を多く含む種類は、乾燥シイタケが断トツ1位です。
乾燥シイタケの食物繊維は、生シイタケ(3.5g)のなんと約12倍にもなるんですよ。
同じシイタケでも、乾燥させることでここまで違うのは驚きですね。
- 1位 乾燥シイタケ(1.9mg)
- 2位 マイタケ(0.74mg)
- 3位 エリンギ(0.42mg)
ビタミンB1・B2も乾燥シイタケが1位で一番多くなっています。
疲労回復にも効果のあるビタミンBは、乾燥シイタケに次いでマイタケも多く含まれていますね。
- 1位 乾燥シイタケ(17μg)
- 2位 マイタケ(3μg)
- 3位 生シイタケ・エリンギ・ブナシメジ(2μg)
何と、ビタミンD2も乾燥シイタケが1位となっています。
数値も断トツに多い17μgで、生シイタケの8.5倍にもなります。
乾燥させるだけでここまで全ての栄養素が多くなるなんて、本当に驚きですよね。
きのこの免疫力アップ成分の種類を徹底解説!

きのこに含まれている免疫力がアップする成分の種類について、ここから解説していきます。
きのこの種類別に含まれている成分は以下になります。
食物繊維(g) | カリウム(㎎) | リン(㎎) | 鉄(㎎) | ビタミンB1(㎎) | ビタミンB2(㎎) | ビタミンD2(㎍) | タンパク質(g) | |
乾燥シイタケ | 41.0 | 2100 | 310 | 1.7 | 0.50 | 1.40 | 17 | 19.3 |
生シイタケ | 3.5 | 280 | 73 | 0.3 | 0.10 | 0.19 | 2 | 3.0 |
エノキタケ | 3.9 | 340 | 110 | 1.1 | 0.24 | 0.17 | 1 | 2.7 |
エリンギ | 4.3 | 460 | 120 | 0.3 | 0.14 | 0.28 | 2 | 3.6 |
ナメコ | 2.7 | 210 | 56 | 0.6 | 0.06 | 0.11 | 0 | 1.6 |
ヒラタケ | 2.6 | 340 | 100 | 0.7 | 0.40 | 0.40 | 1 | 3.3 |
ブナシメジ | 3.7 | 380 | 100 | 0.4 | 0.16 | 0.16 | 2 | 2.7 |
マイタケ | 2.7 | 330 | 130 | 0.5 | 0.25 | 0.49 | 3 | 3.7 |
マッシュルーム | 2.0 | 350 | 100 | 0.3 | 0.06 | 0.29 | 1 | 2.9 |
きのこの成分の中でも、免疫力アップに効果のある成分について解説していきますね。
〈食物繊維〉
食物繊維はお腹の中で分解されずに腸まで届く、第六の栄養素と言われています。
腸の中にある老廃物を体の外に出したり、善玉菌のエサになったりして、腸を元気にしてくれる働きがあります。
食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類あり、それぞれ違った働きがあるんです。
水溶性食物繊維は水に溶けて粘り気があるので、食べ物を胃から小腸への移動を緩やかにする作用があります。
そうすることで、急激に血糖値が上がることを防いでくれるんですね。
また、整腸作用や不要な成分を体外に出してくれるなど、さまざまな生理作用があるといわれています。
不溶性食物繊維は、水に溶けない性質のため水分を含んで腸の中で膨張して便の量を増やしたり、腸を刺激したりして排便を促してくれます。

食物繊維の多い食べ物は噛みごたえがあるから、早食いや食べ過ぎの予防にもなるよ。
腸には全身の約7割の免疫細胞があると言われているので、腸が元気になることで免疫力がアップして、風邪や病気になりにくくなります。
〈β-グルカン〉
食物繊維の中に含まれるβ-グルカンは、腸内の免疫細胞に直接働きかけてくれる成分です。
このβ-グルカンは、ナチュラルキラー細胞や白血球の働きを活性化させてくれるので、免疫力を高めて、ガンの予防や改善に効果があると言われています。
きのこの他に、大麦やオーツ麦などに含まれています。
β-グルカンが含まれている食材の中でも、きのこは一番といっても過言ではないほど多く含まれているんですよ。
生のきのこ100gに含まれるβ-グルカンの量を調べてみました。
- マイタケ 2.3g
- ブナピー 2.0g
- エリンギ 1.9g
- ブナシメジ 1.8g
- 霜降りひらたけ 1.5g
- 生どんこ 3.5g
β-グルカンをたくさん取ることで、効果的に免疫力をアップさせることができますね。
また、β-グルカンの中に含まれている「MXフラクション」という成分があります。
これはマイタケだけに含まれるもので、神戸薬科大学の農学博士である難波名誉教授によって発見されたすごい成分なんです。
MXフラクションは、血糖値や中性脂肪値を下げる効果があることがわかっています。
MXフラクションは水溶性なので、熱を加えて煮出して飲むのが一番効率よく摂取できますよ。
〈ビタミンB群〉
ビタミンB群の種類はB1、B2、B6、B12などの8つの成分があります。
きのこにはその中で、B1とB2が含まれているんですね。
ビタミンB1は、体の中で糖がエネルギーに変わる時に必要な成分で、脳の中枢神経や手足の末梢神経を正常に働くようにしてくれます。

疲労回復や集中力を高める効果も期待できるよ。
ビタミンB2は、皮膚や粘膜の代謝を正常に保って、発育を促進してくれます。
〈ビタミンD2〉
ビタミンDは油に溶ける脂溶性のビタミンでD2〜D7まで6種類あります。
しかし、D4〜D7までは食品にほとんど含まれていないので、実質は「ビタミンD2」と「ビタミンD3」の2つです。
ビタミンD2は、きのこや海藻類などの植物性の食品に含まれていて、ビタミンD3は魚肉や鶏卵などの動物性食品に含まれています。
カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の発育を促してくれる成分なんですね。
ビタミンDが不足してしまうと、健康な骨を作ることができなくなってしまいます。
その場合、子どもなら「くる病」、大人なら「骨軟化症」や「骨粗しょう症」になってしまうかもしれません。

ビタミンDは体にとってとても重要な働きをしてるんだね。
きのこの免疫力アップレシピを4つご紹介♪

免疫力アップ成分がたくさん入っているきのこを使って、効率よく栄養を取れるレシピをご紹介していきます。
水溶性MXフラクションを取れる煮出しマイタケスープ
材料(4~5人分)
- マイタケ 300g
- 水 800ml
- 塩・胡椒 少々
〈作り方〉
- マイタケ300gをみじん切りにする
- みじん切りにしたマイタケ300gに水800mlを加えて中火で沸騰させる
- 沸騰したら弱火にして30分煮込む
- 最後に塩・胡椒少々入れて味付けて完成
マイタケを水で煮るだけなのでとっても簡単で、血糖値や中性脂肪値を下げる効果のあるMXフラクションを効率よく取れるスープのレシピです。
作った煮出しマイタケスープは冷凍すれば約一ヶ月保存することができるので、製氷器に入れて『マイタケ氷』として保存できますよ。
凍ったままのマイタケ氷を味噌汁やカレーなどいろいろな料理に入れるとうまみが増して、栄養価も高くなって免疫力アップするのでおすすめです。
油炒めでビタミンD2が取れる鮭ときのこのバターソテー
材料(2人分)
- 鮭 2切(190g)
- 胡椒 少々
- 薄力粉 大さじ1
- エリンギ 1本(50g)
- シメジ 1パック(100g)
- にんにく(薄切り) 1片
- バター 5g
- オリーブオイル 小さじ2
- 白ワイン(または酒) 大さじ2
- ポン酢しょうゆ 大さじ2
- 青じそ(千切り) 4枚
〈作り方〉
- 鮭の両面に軽く胡椒をふって薄力粉をまぶす
- エリンギは一口大に切って、シメジは小房に分けておく
- フライパンにオリーブオイル・バターを入れて熱して、1.の鮭を加え空いた所にきのこ類・にんにくを入れてこんがりと焼き色がつくまで焼く
- 鮭の両面にこんがり焼き色がついたら、お皿に乗せておく
- きのこ類の残ったフライパンに白ワイン(酒)を入れて煮立て、ポン酢しょうゆを加えてソースを作る
- 5.のソースを鮭の上にかけて、千切りの青じそを乗せたら出来上がり
免疫力アップに効果のあるビタミンDを豊富に含んでいる鮭ときのこを組み合わせたレシピ。
ビタミンDは油に溶ける性質なので、油で調理することで効率よく摂取できます。
ポン酢を使ったタレでさっぱりしてるけど、コクがあって鮭ときのこの相性もバッチリでとっても美味しいですよ。
ペースト状で全栄養を摂取するきのこポタージュスープ
材料(5人分)
- オリーブオイル 大さじ1
- バター 10g
- 玉ねぎ 中½個
- シメジ 100g
- エノキ 100g
- 固形ブイヨン(1個/300g)2個
- 水 300ml
- じゃがいも 中1個
- 牛乳 250ml
- 生クリーム 50ml
- 塩・胡椒 少々
〈作り方〉
- 鍋にオリーブオイルとバターを入れて中火にかけ、スライスした玉ねぎと石づきを取って小房に分けたシメジ・エノキをよく炒める
- 固形ブイヨンと水と5mmの厚さに切ったじゃがいもを加え、沸騰したら弱火にして蓋をして、15分煮る
- 2.をミキサーでペースト状にして牛乳を加えて一煮立ちさせる
- 仕上げに生クリームを加えて火を止めて、塩・胡椒で味を整えて完成
ミキサーでペースト状にすることで、きのこに含まれる有効成分を余す所なく取り入れることができます。
うま味たっぷりでとても美味しくて、少しねかせるとさらにコクが出て、お店顔負けのポタージュスープになります。
きのこをたっぷり使った和風パスタ
材料(2人分)
- スパゲティ1.4mm 2束
- 厚切りベーコン 2枚
- エリンギ 2本(100g)
- シメジ 100g
- マイタケ 100g
- 小松菜 ½束
- バター 20g
- 塩・胡椒 適量
- みりん 大さじ2
- 濃口しょうゆ 大さじ2
〈下ごしらえ〉
- 小松菜を3cm幅に切る
- 厚切りベーコンを1cm幅に切る
- マイタケ、シメジ、エリンギは石づきを取って、シメジ・マイタケは手でほぐして、エリンギは縦に4等分に切る
〈作り方〉
- スパゲティを茹でる
- フライパンにバターを入れ、エリンギ・シメジ・マイタケを強火で炒め、最後に小松菜を加えて塩胡椒で味を整える
- きのこ類がしんなりとしてきたら、みりん・濃口醤油を入れ混ぜて、茹でたスパゲティをあえて出来上がり
3種類のきのこがたっぷり入っていて、食感も楽しめます。
きのこをバターで炒めることでビタミンD2を効率よく摂取できて、小松菜のカルシウムと鉄も補給できますよ。
まとめ

- 免疫力アップする食材としてきのこがランキングされている
- きのこの免疫力アップ成分全てのランキング1位は乾燥シイタケ
- きのこの免疫力アップ成分には、食物繊維やβ-グルカン、ビタミンB、ビタミンDなどがある
- 免疫力がアップするきのこを使ったレシピは、煮出しマイタケスープや鮭ときのこのバターソテー、きのこのポタージュスープなどがある
きのこは一年を通して手に入り、どんな料理にも使えて栄養価も高いので、いつも常備しておきたい食材です。
免疫力アップ成分が含まれている食材としてもランキングされているきのこを継続的に取り入れて、健康な体を維持するために活用していきましょう。
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